現地調査では、外壁全体に色褪せが目立ち、経年劣化のサインが至るところに見られました。
特にシーリング部分は、紫外線や風雨の影響で大きくダメージを受けており、縦目地や窓回りのシーリングに亀裂が発生していました。このまま放置すると防水機能が低下し、雨水の侵入や更なる劣化を招く可能性があるため、早急な対策が必要でした。
屋上についても調査したところ、色褪せが進行しており、苔やカビが多く見られました。屋上防水の表面がこのような状態では、見た目だけでなく防水性が損なわれ、雨漏りの原因にもなりかねません。そこで、防水の再施工の提案させていただき、建物全体の耐久性を向上させ、長期的なメンテナンスコストを抑えるプランをご提案させていただきました。
コーキング部は、外壁との間に隙間ができてしまっていて雨水が入り込みやすい状態でした。ALCパネルは、何枚ものパネルを張り合わせて作られるため、必ず外壁材同士の隙間が発生します。
その目地部分からの雨水浸入を防いでいるのが、コーキングなのですが、劣化によってひび割れや隙間が生じると雨漏りの原因となってしまいます。
この様に各所において錆びが発生しております。特に階段の裏に顕著な症状が見受けられました。鉄部の錆びは周囲に広がり拡大していく特性が有ります。よって鉄部塗装によるメンテナンスは定期的な実施が理想となります。かなり進行している場所については、この様に膨れや剥離がみられました。この様な症状になると行く行くは穴が空いてしまう事にもなるので、症状が著しくなる前に早めの補修お手入れが必要です。
外壁塗装をする際には必ず足場を設置しなければなりません。その理由として、一番に安全面があげられます。外壁塗装は、高いところに塗料や必要な道具を持って行ったり、集中して塗装作業を行ったりしますよね。安全に塗装作業を行うためには、頑丈で足元が安定している足場が必要です。
現状で雨漏りしている場合は、高圧洗浄より先にコーキング工事を行います。
まず、既存のコーキングを撤去します。
ALCパネルは、カッターで簡単に切れてしまいますのでシーリング部分だけをカットしていけるように気を付けながら作業を進めていきます。
ALCパネルは、ALCパネル専用のコーキング材を使用しないとコーキング硬化後に外壁を破損させてしまう恐れがありますので、ALCパネル専用のオートンCP1を使用しました。
ヘラ押さえしている所です。
専用のヘラを使用し、中に空気が溜まらないように、また空洞が出来ないよう押し込みながら、滑らかに仕上げていきます。
力加減も一定・均等にするのがポイントです
ALC壁はモルタル壁やサイディング壁よりも雨漏りを起こしやすいです。
その理由の一つに、モルタル壁やサイディング壁にはある防水紙が無いからです。
しっかりとした施工をされた防水紙があれば、表面の塗装やコーキングに何らかの異常が起こった場合でも、防水紙が水を止めてくれます。
しかし、鉄骨造のALC壁には防水紙が無いことが多く、表面の塗装とコーキングが防水のすべてなので、コーキングがとても大切になります。
高圧洗浄の前に剥がれかかっている旧塗膜や錆を落としたり、既存塗膜が活膜(新しい塗膜)の場合は、新しく塗装する塗料との密着を強くするためにケレン作業を行います。
鉄部塗装全般において最も重要な工程です。
こちらも同様に鉄部ケレンをしている写真です。
外壁塗装の前に洗浄をする理由は外壁に付着した藻や苔などの汚れ、旧塗膜やチョーキングなどを落とすためです。
こういった不純物が付着したまま塗装をしてしまうと、外壁表面に塗料がしっかりと密着せずにすぐに塗膜が剥がれてしまう可能性があります。
そのため高圧洗浄で念入りに不純物を落とす必要があります。 このように屋根塗装前の洗浄は単に見た目を良くするだけではなく、塗料の密着を向上させて塗装後の塗膜の耐久性を良くするための大切な作業です。
こちらも同様に高圧洗浄している写真です。
表面強度の弱いALCパネルは、角部や目地際に不可が掛かり、ひび割れが生じます。
振動の多い建物ではALCの目地際が割れ、ひび割れが貫通すると雨漏りします。
ALCの劣化症状に応じて、Uカットシール補修・欠損補修・外壁パターン調整補修等の外壁補修工事を行います。防水性の向上とALCが割れる事を防ぐ為にも、重要な作業になります。
鉄部を塗装する際は、錆止めを行うことが必要です。錆止めをしないと、塗膜が剥がれたり膨れたりして、鉄部の劣化が早まる可能性があります。
こちらも同様に鉄部の錆止め塗装を行っている写真です。
こちらも同様に鉄部の錆止め塗装を行っている写真です。
軒天は、直接雨が当たらない場所ですが、湿気や紫外線、風雨の影響を受けやすい場所なので、透湿性のある防カビ塗料で塗装を施します。
ALCパネルの既存塗膜の劣化状態に適した下塗り材を選定し、ローラー・刷毛を用いて下塗りします。
下塗り作業がその後の中塗り・上塗りの仕上がりを左右するので、しっかり丁寧に作業します。
特にALCパネルの表面に蓄熱塗膜膨れの主な原因となるピンホールがある場合は、ピンホールを埋める為、刷り込む様にしっかりと下塗り材を塗る必要があります。
ALCは性質上蓄熱しやすい素材になります。必ず蓄熱するかと言えばそうではありませんが、弾性塗料を厚膜で仕上げた場合にたまに起こる現象です。今後膨れを起こさない対処法は旧塗膜の完全撤去ですが、現実問題として素材自体が柔らかいALCの場合、撤去は簡単ではありません。
そのため、今回は蓄熱がしにくい遮熱塗料のロイヤル無機a遮熱を塗っています。
こちらも同様に中塗りをしている写真です。
上塗りは、仕上げとなるので、見た目にも美しくなるよう、しっかりと丁寧に施工していきます。
外壁塗装によるメンテナンスは、建物を外的要因から守るのはもちろんのこと、美観を形成することも重要な目的です。
今回も、劣化で傷んでいた外壁に対し、適切な手順で塗装を行ったことで、とても美しい外観となって仕上がりました。
こちらも同様に上塗りをきている写真です。
錆止め塗料は、下地に対する密着力や錆の抑制効果は優れているものの、紫外線に対し非常に弱いため、それに対する保護のため上塗り塗料を塗ります。
上塗り塗料は通常2回塗ることによってその効果を発揮することができるので、上塗り1回目の工程を中塗りともいいます。
こちらも同様に鉄部の中塗り作業を行っている写真です。
こちらも同様に鉄部中塗り作業を行っている写真です。
鉄部塗装の上塗りには、耐候性や耐久性を高め、外観を整える役割があります。また、紫外線や雨風の影響による塗膜の劣化を防ぐ効果もあります。
こちらも同様に鉄部上塗り作業を行っている写真です。
こちらも同様に鉄部上塗り作業を行っている写真です。
自然災害や、不測かつ突発的な事故で窓ガラスが割れたときには、窓ガラスを交換する必要があります。
放置するとケガの原因にもつながり危険です。また、窓ガラスが割れたところから室内に雨風が入り、壁や床、家具などが水浸しになる場合もあります。断熱性能も大きく低下するため、窓ガラスが割れたら早急に交換しましょう。
窓ガラスのみを交換する方法があります。大きな工事が必要ないため、1窓あたり30~60分程度の短い時間で施工できるのが特長です。交換費用はガラスの種類によって大きく異なりますが、他の方法と比べて比較的安価に交換できます。
窓ガラスの周りにはパッキンがありますが、年月が経つと劣化し、気密性や防水性が損なわれることがあります。
パッキンが劣化している状態では雨漏りが発生しやすくなるため、定期的に窓ガラスのパッキンの状態を確認し、メンテナンスを行うことが必要です。
既存シート防水を剥がしていきます。
大胆にカッターナイフを使ってザックザック切っていきます。
切っていくと当然裏側が見えてくるのですが、雨も降っていないのにビシャビシャでした。
このシート防水は全面が下地に密着しているわけではなく、一部が固定されています。(機械的固定工法と言われます。)
その為、どこかから水が入ると状況によってはシートの下に水が廻ってしまいます。
シートを撤去した下には絶縁シートが現れますが、このシート自体には防水性は有りませんのでシートが切れてしまうと水が漏ってしまう原因となります。
古いシートを剥がし終えた後は、エポキシ系ポリマーセメントのダブルテックスNEOという下地調整材を使用して、ウレタン防水用の下地を新たに形成します。
シート防水から変更する際には、しっかりした下地作りが欠かせません。
改修下地補修・調整用のダブルテックスNEOは、非常に強い密着力があり、汎用性の高い調整材です。
液状の調整材を均一に塗り、少しの凹凸もなく滑らかな床面に仕上げていきます。
改修用ドレンとは、既存のドレンを交換または補修する際に使用する部材です。
雨漏りが発生しているドレンを交換したり、経年劣化によって破損したドレンを補修したりするのに使用されます。改修用ドレンは、3mm程度の厚みがある鉛のプレートと強化ホースで構成されており、錆びにくい素材を使用しています。
さらに、ホースが樋の中まで繋がる設計により、ドレン内部のひび割れがあっても水が直接樋まで流れるため、雨漏りのリスクを大幅に低減します。
プライマーと呼ばれる下地材を塗布します。これは通気緩衝シートとの密着をより良くするために行います。ムラなく塗布していきます。プライマーを塗布したあと完全に乾燥するまで待ちます。
雨漏りが起こる原因の一つとして入隅部分は雨漏りしやすい部分なので、入隅コーキングで補強を行うことで破断を防ぐ役割があります。入隅コーキングを行わないでウレタン防水作業を行うと破断しやすく、地震・寒暖の差などでひび割れが発生しやすくなります。
なので、入隅シーリング作業は必須作業になります。
下地に通気シートを張っていきます。
この通気シートの裏地が特殊な加工がされており湿気が逃げる構造になってます。
ウレタン防水とは、建物に雨水を浸入させないために行う防水施工方法の一種です。液体状のウレタン樹脂を2回塗り重ねることで水を通さない防水層を形成できます。液体(塗料状)の素材を塗り広げることで防水施工することを塗膜防水と呼び、継ぎ目なく施工できることが特徴です。
遮熱入りのトップコートを塗っていきます。
トップコートがウレタン防水層を紫外線から守り、ぐんと長持ちさせます。 またツヤや色の均一性など見た目の美しさを保ち、はがれやひび割れを防ぐ効果もあります。
これで、屋上の防水工事の完成です。
これで外装リフォーム工事の完了です。
建物全体がツヤツヤ・ピカピカとした外観になって、一気に新築のような雰囲気になりました。
私たちNURI右衛門は、これからも辰栄樹脂工業様のご要望に寄り添いながら大事な建物を守るお手伝いを精一杯させていただきたいと思います。この度は、数ある塗装業者の中から弊社を選んでいただき本当にありがとうございました。